ムンバイで仕事探しに奔走するシャルマーは、ある日のバスの中、世間を騒がすオサマ・ビン・ラディンそっくりの民謡歌手パディ・シンと出会ったことをきっかけに、彼を映画会社シェッティ・シスターズに売り込んで見事「Tere Bin Laden(君はビン・ラディン)」という映画を撮って大ヒットさせてしまう!
次も同じメンバーで続編映画を撮ろうとした矢先、主演のアリ・ザファールは「今度は、カラン・ジョハールに続編撮ってもらおうぜ」と言い出すし、脇役たちも取材責めに飽き飽きして映画界を離れて行ってしまう。さらには本物のビン・ラディン死亡のニュースによって、シャルマーが企画していた続編映画は完全に頓挫する…!!
その頃、「インドで死んだはずのビン・ラディンが生存しているらしい」と言う情報を確かめるため、米国CIAとパキスタンに集まるテロ・オリンピック参加者双方がインド入りしていたのだが…!!
主人公シャルマーを演じたのは、1981年デリーのパンジャーブ人金融業者の家に生まれたマニーシュ・パウル。
観光学の学位を取得しつつ、学生時代には様々なイベントでの司会進行を務めていて、卒業後にムンバイに移住してからラジオDJとして活躍。06年にTVシリーズ「Ghost Bana Dost」に出演して男優デビューしてからTV俳優兼TV司会としても活躍し始めるものの、08年に一旦仕事を休んで映画界へのオーディション生活を始める。09年の「Maruti Mera Dost」や10年の「Tees Maar Khan(30人殺しの大ボラ吹き)」などでの端役出演を経て、13年の「Mickey Virus」で主演&歌手デビュー。以降、映画・TV双方で男優兼モデル兼プレゼンター兼コメディアンとして活躍中。
前作から続投の、ビン・ラディンのそっくりさん(*3)には、1983年ウッタル・プラデーシュ州デヘラードゥーン(*4)生まれのプラドゥマン・シン・マル。
長い長いオーディション選考を経て、前作「Tere Bin Laden」で映画デビューを果たし、ヒンディー語映画界で活躍中。本作では出演の他初めて脚本にも参加していて、20年にはイギリス映画「Doorman」で監督デビューもしているらしい(?)
ビン・ラディンそっくりさん映画の続編を作ろうとしたら、ビン・ラディン本人の殺害ニュースで世間の興味が速攻で消え去ってしまうのも皮肉な展開だけど、そこに「ビン・ラディンを米軍が殺す劇的なシーンを撮りたい」と言ってCIAが乗り込んできたり、逆に「ビン・ラディンが生きている証拠が欲しい」とテロリストが邪魔しにきたりと二重の皮肉が物語を転がし始めるのも刺激的。そして、アメリカもテロリスト達もどちらにもかなりなブラックジョークでおちょくる風刺的過激さは前作以上か(*5)。ビン・ラディンそっくりさんを出してくる映画に、オバマにやや似の男優(*6)を出演させてるのも、この映画の意図的な遊びってやつでしょか。
もしシリーズ3作目とかが作られたら、やっぱ「Tere Bin Laden: Dead or Alive」を作ったスタッフがたちの悪戦苦闘物語になるんかしらん?(*7)